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30 まだ増え続けるイタリアの不思議

LA TRENTESIMA PUNTATA  "7 MERAVIGLIE DELL'ITALIA"

第30話 まだ増え続けるイタリア生活の不思議

「イタリアでもクレジットカードを持っていた方がよい」という根拠の決め手が全く見付からない。
何よりわたしはイタリアで銀行口座を持っていないのだ。
必要なほど給料をもらっているわけではないし。
ただ、時々航空券などをユーロで購入する際に、
クレジットカードがあったらいいな、と思うことはあった。
給料としてもらう小切手を毎月現金に換えているので、
通っているなじみの銀行のおじちゃんがいて、
彼に相談してみたことはあるのだが、
どうも割に合わない気がする。
日本の銀行のサービスのありがたみ
皆さん、かみしめて下さい。
例えばこちらで、クレジットカード機能付き郵便局のカード(Carta Postepay)を作ると、
発行の際に5ユーロ、
預金を一回するごとに1ユーロ(ちなみにATMではできない)、
引き落とし一回ごとに1ユーロ、などなどの手数料がかかる。
なお、引き落としに関しては、
他銀行のATMでする場合一回1.75ユーロ、
海外では5ユーロもかかるのだ。
口座を閉じる際にも手数料とやらをふんだくられる。
わたしの貯金額は手数料引き落としだけで無くなっていくことだろう。
利子どころの話ではない。
他にもわたしの分からないところで何かあったら取られそうなので
(イタリアではよくある)、
わたしはやっぱり口座を持たないことにする。
箪笥預金(っていうか職場の金庫)。
一番安心。

そんな時、友人から
新しいクレジットカード機能付き郵便局のカード(BancoPosta Click)の存在を聞いた。
発行手数料、郵便局口座維持費ともに無料、
預金するにも引き落としするにも手数料がかからないと言う。
それなら持ってやってもいいか、と必要事項をネットで申し込み、
ダウンロードした用紙に必要事項を書き込んで、
近所の郵便局に出かけた。
窓口で「コレ申し込みたいんですけど」と用紙を見せつつ言うと、
「今、担当がいないので連絡させるから電話番号教えて」と言われる。
もうこの時点で「ああ、やっぱり会社の金庫でいいかな」と思い始める。
一応、携帯電話の番号を窓口の人に渡した。
そして数日経った。
当然のことながら電話などかかってくるはずもない(イタリアでは普通)。
どう考えても会社の金庫に箪笥預金でいいのだ。

最近、日本の契約銀行からお知らせのEメールが届いた。
な、な、なんと、海外でのATM使用手数料を引き下げるという。
どうにも嬉しいお知らせである。
ますますイタリアの郵便局と銀行から遠ざかりたくなるのだ。

ローマの中央駅、テルミニ駅近くにヴィットーリオ・エマヌエーレ広場というのがある。
大きな市場と中国人街として有名なところだ。
世界各国の様々な食材や安い衣料品などが手に入るため、
中国人だけでなくアジア系、イスラム系、アフリカ系、
いろいろな人種、国籍、民族の人たちが集っている。
わたしたちローマ在住の日本人もよく出かける。
大根やキムチ、日本米など、近所のスーパーでは決して手に入らない、
日本料理に欠かせない食材がここでは揃うからだ。
時々食べたくなるアジアン・テイストインド・カレー屋がここにはあって、
何度か訪れているのだが、
一度同僚のマッシモにそのことを告げて出かけようとすると
「あのゾーンは外国人でいっぱいだから危険だぞ、行くな」と止められた。
しかしわたしも外国人だぞ、オイ。

ラジオを聴いていた。
マリリン・マンソンの歌が流れる。
DJが曲を紹介して言う、「マリリン・マンソンはアメリカのレナート・ゼロだよね」と。
知名度から言って、普通、
レナート・ゼロはイタリアのマリリン・マンソンという表現をするのではないかね?
確かに年もキャリアもレナート・ゼロの方が上だけど…。
同様につっこんだ外国人のリスナーは数知れないに違いない。
イタリア至上主義。

ローマでの住民票登録は、
自分の住んでいる地区のCIRCOSCIRIZIONE(所轄の市役所支所)で行う。
友人が引っ越しして住民票を抜くことになって知った。
CIRCOSCIRIZIONEでは抜くことができないことを。
ANAGRAFE(市役所戸籍課)に行かなくてはならない。
大丈夫なのだろうか。
本当に機能しているのであろうかと不安になる。

わたしの滞在許可証が2009年2月に期限切れとなった。
もちろんすぐに申請をした。
約3ヵ月後の6月、役所に呼ばれて指紋を取った。
ところで新しい滞在許可証はいつできるのであろうか。
今はもう4月…。

某国某都市で行われた某イタリア美術の展覧会のカタログを読んだ。
カタログに入る前の「はじめに」の項が異様に長い。
「ご挨拶」として
外務大臣外務省文化推進協力局長文化財文化活動省大臣
文化財文化活動省建築・歴史・民族人類文化財局長文化会館館長大使
計6名様の同じような内容の文章がツラツラと書き並べてあった。
6ページ無駄?

イタリアのことを散々になじっているものの、
これもすべてイタリアへの愛ゆえ
平にご容赦あれ。

(2010年4月)

*追記*イタリアの銀行手数料についての記事が、
      以前、日本の新聞の国際面に載っていたので、
     切り抜きをしておいた。
     それをここで転載したい。

イタリア便り 高い手数料の理由は…(坂本鉄男記者の筆・産経新聞2008年7月20日日曜日5面より)

イタリアの銀行預金手数料は欧州連合(EU)内で一番高く、
これまで消費者団体が何度も是正を求めてきたが、
いっこうに改善される様子はない。

昨年秋も有力銀行の社長がイタリア議会で、
高い原因について弁明していたが、
「預金獲得経費の高さ」などのほかに「銀行強盗対策費の高さ」を強調したのには驚いた。

事実、イタリアの銀行強盗の件数は2005年が2600件だったのに対し、
07年には2900件に上昇している。
この件数はEU全体の銀行強盗件数のおよそ半分にもなるといわれる。
手っ取り早い金もうけとして銀行を狙う犯罪者が最近、
急増したためだという。

昔は銀行強盗はほとんどがプロによるもので、
逮捕されて長期の刑を科せられないように
綿密な準備を整えてから実行に移すのが普通だったという。

前述の有力銀行社長は、
イタリアの銀行の警備費用はドイツの5倍になると説明していたが、
これが銀行手数料の高さにつながるというのでは、
消費者としては一体誰に憤懣をぶつけていいのやら分からなくなる。

ベルルスコーニ内閣が
「市民生活の安全性の確保」を政策の一つに掲げているのは、
まさに当然というべきだろう。

実は職場の取引先の銀行でも一度だけ、
同僚が丁度いた時に強盗事件があった。
ちなみに銀行の隣の建物は軍警察である。
犯人はイタリア人複数で、現金をごっそり持っていったそうである。
渡した銀行員との関係も問われたが、地元警察はろくな捜査をしなかった。
日本で空き巣に入られると指紋採取のために
家中が白い粉だらけになると聞いたことがあるが、
イタリアでは銀行強盗であってもアレすらしないのである。
確かに一々そんなことをしていたらイタリアの国家予算はもたないのである。

そんなイタリアの首相は億万長者。
女関係が問題になって
奥さんに慰謝料を月30万ユーロ(約3500万円)払うというのだから、
この国って…。

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